適正飲酒の意味
何か、考えさせられてしまう「10ヶ条」だ。
つい最近、「適正飲酒」という言葉を知った。Webで検索すると、(社)アルコール健康医学協会が平成6年に提唱した「適正飲酒10ヶ条」という、お酒を飲む際の心がけについて、わかりやすく10ヶ条にまとめたものがある。
(以下、引用)
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1. 笑いながら、楽しく飲もう
ヤケ酒は飲みすぎのもと。楽しみながら飲みましょう。
2. 自分のペースでゆっくりと
アルコールの分解度は個人差があるので、自分のペースを守って。特にイッキ飲みは、急性アルコール中毒の危険が大です。
3. 食べながら飲む習慣を
お腹に食べ物が入っていない状態でアルコールを摂ると、胃壁を傷めるほか、アルコールの吸収が通常の2倍になり、悪酔いの原因に。
4. 自分の適量にとどめよう
適量を守って飲めば、二日酔いや悪酔いもせず楽しめます。
5. 週に2日は休肝日を
同じ酒量でも、毎日飲む人は、間をあけて飲む人より肝障害を起こしやすく、重くなりやすいのです。
6. 人に酒の無理強いをしない
アルコールの分解酵素の量は人によって違い、一口で気分の悪くなってしまう人もいるので、自分にとって少ない量でも人への無理強いは絶対禁止です。
7. 薬と一緒には飲まない
アルコールが薬の作用を強めることがあり、重大な副作用を起こす危険があります。
8. 強いアルコール飲料は薄めて
胃や口腔・食道への刺激が強く、各部位のがんの発症を促進するといわれています。
9. 遅くても夜12時までに切り上げる
お酒の代謝には時間がかかるので、朝までアルコールが残らないようにしましょう。
10. 肝臓などの定期検査を
肝臓は別名「沈黙の臓器」 。自覚症状が出にくいので、検診で早期発見につとめましょう。
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(引用終わり)
10ヶ条をひとつひとつ読んでみると、「なるほど」と思うことばかりである。「楽しく」「ゆっくりと」「食べながら」「適量を」「薄めて」飲み、時には「休肝日」を設け、「人に無理強いせず」、「薬とは飲まず」、「遅くまで飲まず」、「肝臓の検査を受ける」ように心がける、という「飲む人にはあたりまえ」というか、「理にかなった」10ヶ条だと思う。
しかし、そんな10ヶ条について批判する声がある。飲酒問題に詳しい宮千代加藤内科医院の加藤純二氏は、自身のホームページで「適正飲酒十ヶ条とは事実上の飲酒礼賛の概念で、諸外国のアルコール医療の専門家が読んだら、吹き出して笑ってしまうような内容なのです。」と言いきる。また、「財団法人 日本禁酒同盟」のページでは「新10ヶ条」と題して10ヶ条をひとつひとつ言い直している。その10ヶ条は以下のとおりである。
(以下引用)
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1.笑いながら共に、楽しく飲もう → 家族が困る飲み方なら専門病院へ
2.自分のペースでゆっくりと → 長時間の晩酌はアルコール依存症の危険サイン
3.食べながら飲む習慣を → 習慣的飲酒は依存症につながる
4.自分の適量にとどめよう → 安全量は1日1合まで
5.週に二日は休刊日を → 止めたり、大量飲んだりは重症依存症の特有の飲み方
6.人に酒の無理強いをしない → 酒に弱い人はきっぱり断ろう
7.薬と一緒には飲まない → 酒を止めて、薬も減らそう
8.強いアルコール飲料は薄めて → 薄めても酒は酒
9.遅くても夜12時で切り上げよう → ワンパターンの一人酒は危険なサイン
10.肝臓などの定期検査を → アルコール依存症は血液検査では分からない
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(引用終わり)
どちらが良いかは、人それぞれあると思う。たしかに「10ヶ条」を鵜呑みにしてお酒を飲み続けた結果、アルコール依存症や各種疾患に陥った人も、実際にいる。私なんかは「酒に依存する」ほどお酒を飲まず、自分の限界も知っている(限界以上は飲めない)ので、「適正飲酒10ヶ条」が素直に頭に入るのだが、実際に苦しんでる人を直接現場で見ている医師の立場としては、お酒が売れないと困る酒類メーカーに媚びた「10ヶ条」を許せないのだろう。メーカーに担がれておいそれと「10ヶ条」を出してしまった(社)アルコール健康医学協会や厚生省、それに国税庁は、どういう思いでいるのだろうか。
やはり国やその関連機関が世間に物事を提唱する場合は、よく考えなければいけないのだなぁと、漠然と感じた次第である。
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